今回のFTX騒動で感じたリスクと資産を守る為にすべき事


短い期間に色々起こり過ぎて情報をすべて拾い切れていませんが、今後こういう事が起こった場合にどう立ち回った方がよいかを自分なりに整理してまとめます。日付は自分が情報を知った日をメインに記述しているので多少前後する事があるのと、トレードメインで立ち回っていた為、情報は深堀していませんが、そこは大目に見ていただきたいです。

また、資産を守る為にどうすればよいのか、個人的に考えていることを最後にいくつか挙げていきます。

FTX騒動の一連の流れ

11/6~7未明 Alameda Research に関しての記事を確認

11/6~7の午前中にTwitterのTLにAlameda Researchに関してのリーク記事が流れてきたのが発端だったと記憶しています。
リーク元のメディアは確かcoindesk。
2022年第2四半期の6月30日決算時点でのAlameda Researchの保有資産は146億ドル(2.14兆円)となっており、最も大きな資産は36.6億ドル(5367億円)のロックされていないFTT(FTXトークン)で、3番目には21.6億ドル(3168億円)相当のFTT担保とされていました。

その後、このリーク記事に対してバイナンスのCEO、チャンポン・ジャオ氏(CZ)の『BinanceのFTX株式からの撤退の一環として、Binanceはおよそ21億米ドル相当の現金(BUSDとFTT)を受け取りました。最近明らかになった事実により、私たちは帳簿上に残っているFTTを清算することを決定しました。』と発表がありました。

それを見た率直な感想が
「あ、これってFTTの価値なくなるのでは???」
思い、かなり心配になった記憶があります。

その後すぐにAlameda ResearchのCEO、キャロライン・エリソン氏がCZへのリプをツイート
『FTTの販売でマーケットインパクトを最小限に抑えたい方は、本日22ドルでアラメダが喜んで買い取らせて頂きます』

とあり、この間のFTTのチャートはかなり乱高下していました。

キャロライン・エリソン氏はリークの情報を一部否定し、FTTの買取を宣言することでこれ以上の下落を防ごうとしてたんだなと感じました。

この時感じたこと

確かこの時の空気感としては、ビットコイン22,000ドルをいつ突破するか!?みたいな感じでしたが、個人的には「FTTがビットコインはじめ、アルトを巻き込んで崩壊するのでは?」と思っていました。

11/8~9 FTTの価格が防衛ラインの22ドルを割り暴落

エリソン氏の”22ドルで買い取る”宣言を受けて以降、11/7から22ドルをキープしていたのですが、日本時間11/8のお昼ごろに突然崩壊を迎えます。
22ドルでキープしていたんですが、11時過ぎに一気に20ドルを割ました。
恐らく、CZ氏による発言が色々な憶測を呼び、色んな人達が一気にFTTを売却、それに耐えられず暴落したものと思われます。

また、BitDAOコミュニティが、3年間販売しないことを約束したトークンのオンチェーンアドレスを提供するようAlameda Researchに求め、24時間以内に回答がない場合、コミュニティは3,362,315FTTをどうするかを決めると発表があったようです。

ちなみに同社CEOは 「忙しいから後で…」と回答した模様。

そして約3時間後、暴落していた$BITが激リバ、Alameda ResearchのアドレスにBITトークンがCoinbaseとFTXから入金された模様です。

しかし、その様な行動もむなしく、止まらないユーザーの売りにより11/9未明にはFTTの価格は2ドル台に急落して終焉を迎えつつありました。

また、ほぼ同じタイミングで止まらない出金に耐えられなくなったFTXGlobalは出金を停止してしまいました。

この時感じたこと、行動したこと

正直あり得ないと思いましたが、直ぐにFTXJPも出金停止されると思い、FTXJPに残していた資産を引き上げました。

11/9 バイナンスによるFTX買収

止まらない出金等で、この時サム・バンクマン・フリード氏(SBF)は、色んな所に助けを求めていたようでしたが断られていたようです。
この時点でFTXの顧客へ対応する為に必要な金額は既に50億~60億ドル(日本円で約8,000億)不足していたようです。

そしてついにSBF氏はCZ氏へ助けを求めます。それを受け、バイナンスのCEOのCZ氏は、「FTXが助けを求めてきたのと、流動性の危機をカバーしてユーザーを保護する為、バイナンスがFTXを買収するLOIに署名した」と発言。

これによりFTXおよび暴落したFTTも落ち着きを見せ回復するかなと思ってました。

11/10 バイナンス、FTXの買収断念

しかし蓋を開けてみると約80億ドル(日本円で約1兆1000億)の債務があると分かり、バイナンスはFTXの買収を撤回。

これによりさらにFTTは安値を更新、1ドル台まで急落してしまいました。

時を同じくして、米国証券取引委員会(SEC)がFTXとAlameda Researchの関係性調査を開始していたというツイートや、Alameda関連のプロジェクト、ポートフォリオ一覧がタイムラインを賑わしました。

11/10 FTXJPも出金停止

既に11/9時点で出金できない報告が上がっていましたが、11/10には日本円の送金も含めて完全に出金できなくなりました。そればかりか、一時的にサイトが表示されない状態が続き、資金を預けている人がパニックになるツイートがタイムラインに流れてきました。

そして間髪入れずに業務停止命令。

Alameda Researchの損失を支えるために、FTXで顧客資産を使い込んでいると報道があったのが原因の様です。
その報道を受け、Alameda Researchのポートフォリオ一覧や関連プロジェクト、FTXの出資企業やSolana関連の資産も要注意と思われるようになりました。

その他、Solana上のwBTCやUSDTのデペグも起こり、思ったより多方面に影響が出てる状況になってしまいました。

11/11午前 FTXGlobal、突然の出金再開とジャスティン・サン

11日未明、FTX出金再開のツイートがタイムラインに流れてきて、「お?資金問題なくなったのか?」と思ったのですが、どうやらバハマ本社の規制と規制当局により、バハマの資金の引き出しを優先的に行っただけの様でした。

しかも、FTX/Alameda系列の友人/従業員/ビジネスパートナー等の関係者限定だったようで、ますますユーザーは救われないのかと思わせる内容でした。

このまま一般ユーザーは出金できないのかな?と思っていたところ、トロン(TRX)の創業者、ジャスティン・サン(Justin Sun)氏が特別措置を実施する様なツイートを投稿。トロン関連銘柄を購入すると、FTXから出金できるスキームを準備するという内容でした。

ただ、この影響でトロン関連銘柄を購入する状況が発生、FTX内の$TRXの価格が市場価格と大幅に乖離する事態になってしまいました。

個人的にはこのスキームは本当にユーザーにとって良かったものか疑問が残るものでした。

11/11午後~11/12未明 FTXJPで日本円出金再開&破産報告

このままの状況では、ユーザーが出金するにしても大幅に資産減した状態でしか引き出せないと思っていた矢先、FTXJPでも日本円出金が確認できたというツイートがチラホラ流れてきました。ですが、出金できたという人もいれば、ログインしたら資産が0円の状態、出金申請してもいつまでたっても処理されていないという人が混在し、いったい何が本当の情報かわかりませんでした。

しばらくすると公式からいくつかツイートが

こちらの情報を受け、実際に公式サイトを見に行きましたが、確かに非アクティブだった出金ボタンがアクティブになっていて、日本円出金が可能な状況になっていました。
これは素直に日本法人をはじめ、関係各所が夜通し頑張ったおかげだろうなと思いました。

しかし、同時刻に破産のツイートが

この時点で自分の中ではFTXが終わりを告げました。
後は時間がかかってもいいから、FTXJPに資金を入れていた人が待避できればいいと考えていました。

11/12 破産手続きからのハッキング騒動

日本時間8時くらいに仮眠から目覚めてタイムラインを追ってると、ちょいちょい日本円出金できたという報告をみて、このまま徐々にFTXJPに預けられていた資金が出金されて終わると思い、この騒動もひと段落つくなーと考えていました。
しかし、お昼くらいにFTTの価格推移をみる為にログインしていたFTXの接続が度々切れて403エラーが出るようになりました。
その時は特に気にも留めていなかったのですが、何気なくチェックしたTwitterに流れてきたのは

FTXがハッキングされた

というショッキングな内容でした。
確かに、不穏な動きをしていた時間帯と一致していたので、早急にログアウト、念のためにデバイスにインストールしていたアプリも速攻で削除しておきました。

最初はこういう時によく出回るFUDかな?と思ったのですが、テレグラム公式からハッキングにあったと声明があったようです。

ちなみにほぼ全て抜かれたようで財布は空っぽ・・・。

さすがにここまで展開が早いと、逃げられなかった人たちもたくさんいたようで、タイムラインは阿鼻叫喚。これまでクリプトを触ってきた人たちの引退宣言も目立ちました。

11/12の夕方時点、Twitterには様々な憶測が流れ、何が本当の情報なのか見極めが難しくなっています。
こういう時は、慌てずに自分でしっかり調べてから行動するか、一刻も早く自身のウォレットもしくは信頼できる取引所に資産を待避して様子を見ることが重要だと思っています。

FTXの何がいけなかったのか?

個人的な感想になりますが、一連の流れを受けて、FTTを裏付け担保として色んな事に手を出していたのが全ての現況だったのかと感じています。さらに、その自社トークンにあわせて顧客資産にまでレバをかけて運用していたという内容の情報が流れてきたので、トークンが悪いわけでなく、運用体制そのものに問題があったとしか言いようがありません。

資産状況も透明化した上でハッキングなど、どうしようもない状況であればまだ挽回できたのかもしれませんが、なかなか擁護する声を探すのは難しいです。

やはり取引所は、提供するサービス(セキュリティを含む)や製品を通じて価値を創造していくべきだと考えています。

今後、資産をどうすればよいのか

今回の件を通して、私個人が考える資産の守り方です。紹介するものが決してベストという訳ではありませんが、参考になればと思っています。

出金による資産の一部撤退

これは分かりやすいし、一番安心する方法だと思います。国内に置いている人はすぐに出金申請をし、海外の取引所に資産を置いている人は一部を国内取引所に送金、その後出金しておくことです。

万が一、自分の使っている取引所が今回の様な出来事に巻き込まれても、全損するのを避ける事が出来ます。これって意外と大切で、仮想通貨の場合は少額からでもトレードの方法によっては復活する事が出来るからです。

「死なない事が大事」と言いますが、まさにこれだと思っています。

・metamask等のウォレットに移動

これは使い方次第では少しリスクがあるのですが、metamask等のウォレットに移動する方法です。怪しいところに繋げたり、勝手に送られてきたトークンを売買したりしない。あとは、シードフレーズやバックアップフレーズを他人に伝えない( 流出させない )事でしょうか。

どうしてもトレードしたい!という事であれば、DYDX 等でmetamaskを接続してトレードすれば問題ないと思います。

・Proof of Reserve を取り入れている取引所を調べて、そこでトレードをする( phemex )

最後は Proof of Reserve ( プルーフ・オブ・リザーブ )を取り入れている取引所に資金を移動し、そこでトレードをするという方法です。

Proof of Reserve とは、独立した第三者によって行われる監査で、カストディアンが顧客のために資産を所有しているのかを確認する事を目的としています。Proof of Reserve によって、暗号の貸し手が保有する担保以上の資金を貸し出さないようにし、何かあったときに貸し手が完全に補償されるようにします。

最近利用している phemex も、この Proof of Reserve を採用している取引所になりますので、今回の件を受けて資産の一部を phemex に移動させて、トレードを続行する事にしました。

Proof of Reserve 以外にも

  • コールドウォレット採用によるセキュリティの強化
  • プラットフォームトークンを採用していない( FTTの様な事態を避ける )

という意味で利用続行を決めました。

また、今なら『 VIP+2 レベルのアップグレード特典&ウェルカムボーナス 』もある為、もし登録されていない人がいたら試してみてはいかがでしょうか?